「伝説の舞台」とされる
「非常麻将」(フェイチャン・マージャン)が再び日本へ
2001年に日本で上演された4公演は今や「伝説の舞台」といわれつつある。その「非常麻将」を携えて、この春、中国演劇界の鬼才李六乙氏が再び日本を訪れる。最後の1局を打つために集まった義兄弟だが4人目が来ない。何故?真実は?秘められた殺意がいま解き明かされる。
演劇という点ではどちらも同じだと思っています。でも、このふたつは当然異なるものです。なぜなら、現代劇と伝統劇はそのルーツを異にするからです。現代劇(中国語でいう話劇)は元来西洋のものです。中国には日本を通じて入ってきました。ですから、いかに中国化し、中国独自の作品を創るかが課題です。それに対し、伝統劇は長い歴史を持った中国独自の文化です。その国際化が課題だと思っています。数ある伝統劇の中で、今回京劇を選んだのは、京劇が中国伝統劇を代表するもの、中国文化の粋だからです。こういった課題を意識して今後も作品創りをしていきたいと思っています。
■ 現代劇と伝統劇、このふたつの異なるジャンルをあなたはどう捉えていますか。
された伝統劇の昆劇「偶人記」などには現代劇の要素が積極的に取り入れられている。ふたつの異なるジャンルの融合が彼の演出の大きな魅力であり、その革新的試みは毎回論争を巻き起こしている。演劇界の風雲児である。その李六乙氏の手にかかり、さて今回はどんな女将軍が登場するのだろうか。また大きな話題を呼ぶことは間違いない。すでに日本公演の計画もある。
戦で一家の男達が次々倒れ行く中、勇ましく戦う女将軍穆桂英。その姿は感動的でありながら、ときにユーモラスでもあり、北宋以来900年にも渡り愛され続けてきた物語である。舞台に乗るようになったのは元以降のこと。
李六乙氏の作品は、「非常麻将」などの現代劇には伝統劇の要素が見られる一方、2002年春に北京で上演
楊家の第3代に嫁いだ女傑「穆桂英」(ムー・グィイン)(日本語読み:ぼくけいえい)の物語です。現代人の生きる姿に通じるものがあると思い、この題材を選びました。でも、内容は過去に上演されたものとはだいぶ異なります。伝統劇も時代に合わせて変化しなくてね。この作品は、私自身の解釈により自分で新たに書き下ろしたものです。演出も現代劇の要素をたくさん取り入れる予定です。昨年春に上演した現代昆劇「偶人記」以上に斬新で現代的なものになりますよ。期待していて下さい。これも小劇場作品です。
内容は、麻雀の最後の1局を打とうと集まる3人の義兄弟が、4人目の男を待つというものです。結末は…見てのお楽しみです。観客の皆さんそれぞれの見方、感じ方をしてくれればいいと思っています。
東京公演は青山円形劇場にて3月25日から27日まで3公演。大阪公演は伊丹AI・HALLにて4月4日から5日まで2公演が予定されている。この他、李六乙氏によるワークショップの開催もある。
■『非常麻将』はどんなテーマ、内容なのですか。
現代中国人の心理を描いたものです。文革が終わり、改革開放の波を受け、今中国は発展し豊かになりつつあります。けれども、私達現代人はまた新たな問題に直面しているのです。その問題は国境を越え共通するものでしょう。きっと日本の観客の方にも通じると思います。
「明日何をしよう」「自分に何ができるのか」将来の不確定性、人間の存在意義への問いかけ。衣食住のレベルがある一定に達した中国の都会人達は、今新たな問題に直面している。それを率直に反映した作品だからであろう。2000年の北京公演は10代、20代の若い世代を中心に大きな反響を呼び、小劇場の4面舞台は1ヶ月以上に渡り120%以上の満席を記録した。そして、2001年BeSeTo演劇祭の招聘作品として日本で上演された際には、その緻密な演出、緊張感のある高度な演技に多くの関係者、観客が驚嘆した。幸運にもその舞台を観た者は得意気にその時の様子を語り、日本では今や伝説の舞台とされている。